会長あいさつ

激変する社会の中で求められる変化できる力

多賀工業会会長 杉田 龍二(昭49学子)

 

(2023年5月18日)

3年に亘ったコロナ禍の出口がやっと見えて来ました。しかし、すっきりと縁を切れるわけではなく、しばらくはウィズコロナの期間が続きそうです。パンデミックは社会を大きく変化させましたが、我々を取り巻く環境は常に激変しており、この3年間に限ったことではありません。茨城大学勤務時に、学生から「会社の良し悪し」について質問されることがありました。これに答えるのは大変難しいのですが、良し悪しを判断する基準となる一つのキーワードは「変化」であろうと思います。すなわち、これまでに自ら大きな変化を遂げ、そして今後更なる変化ができるポテンシャルを持つ組織であることが、良い会社の必要条件になろうかと考えます。私が大学院修了後20年働いたパナソニック(株)について言えば、現在は昔と比べて、事業内容はもちろん、人事制度の観点からも大きく変化し、まるで別会社です。もう1例を挙げますと、売上げが同社を追い越して、はるかに高い利益をあげている同業他社は、より大きな変化を遂げております。もはや「同業」とは言えないかも知れません。また、社会の諸々の激変の中で大学も大きな変化を余儀なくされており、今の国立大学は独立行政法人化以前の面影は殆どありません。同窓会組織も、存続するためには、変更すべきところは変更して変化発展していくことが肝要と思います。以下に、多賀工業会が推進している事業の中で、学生支援活動、若手会員参加促進対策、及び会報に関して、この1年間に実施した内容をご報告させて頂きたいと存じます。

学生支援活動としまして、一昨年度(2021年度)から、国際会議参加登録料支援及び海外派遣学生旅費支援を実施しております。前者は、昨年発行しました会報65号の会長挨拶でもご説明させて頂きました通り、多賀工業会が日立キャンパスの学生に対して、国際会議に参加する際の登録料を助成するものです。昨年度はコロナ禍の影響があるにもかかわらず6件の応募がありました。学生の報告記事を本会報に掲載しておりますので、努力している様子をご覧頂ければ幸いです。後者は、茨城大学同窓会連合会が、学生の留学支援経費の一部として大学に寄附をしております。なお、茨城大学同窓会連合会は2006年に発足した組織であり、5学部の同窓会が一体となって、学生支援や大学支援等を行っております。

次に若手会員参加促進対策についてです。多賀工業会活動への若手会員の参加を促すためには、現役学生に多賀工業会を認識してもらうことが必須です。学生と直接対話する機会を増やし、彼らの意見を聞き、要望を可能な範囲で多賀工業会活動に受け入れるべく取り組んでおります。また、学生の大きな関心事は就職ですので、大学と情報を共有しつつ、卒業生による学生への就職及び職場説明会を開催しております。このような活動を強化するためには、社会で活躍されている会員の皆様のご協力が不可欠ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。

毎年発行している会報につきましては、一昨年から会報サイズをA4版に拡大しオールカラーにしたところ好評なため、今年もこの形式を踏襲しました。紙媒体としての会報発行には賛否両論あろうかと思いますが、会員とのつながりを維持する手段として価値が大きいものと認識しております。会報は、卒業生はもちろんのこと、在学生やその保護者の皆様の目にも触れます。従いまして、それら、いずれの方々にとっても興味が持て、元気が出るような記事を掲載することが望ましいと考えており、そのようなスタンスで編集している次第です。

最後になりましたが、同窓会会費の支払いにご理解頂きました新入生とその保護者の方々に深謝申し上げますと共に、会員の皆様のご活躍とご多幸を祈念致します。