流れをつかむ、流れに乗る、流れを作る
多賀工業会会長 杉田 龍二(昭49学子)
(2024年5月20日)
社会は激動し、大きく変化しております。社会の変化をもたらす要因の一つが、加速度的な進歩を続ける技術、新しく生み出される技術です。技術者は、技術の流れをつかみ、流れに乗ることを要求されます。さらに、技術者にとってより重要なことは、新しい技術の流れを作ることでしょう。しかし、これは極めて困難であり、運にも強く左右されます。自分自身、企業の研究所で20年、大学で20年、研究開発業務に従事してきましたが、技術の流れについていくのが精一杯であり、流れを作るなど、とても及びませんでした。
茨城大学及び工学部・理工学研究科も、厳しい大学情勢の中、世の中の流れに乗り、流れを作るべく改革を進めております。昨年度(2023年度)、日立キャンパスは最後の夜間コース新入生を迎え、今年度、文理横断型の新しい組織である地域未来共創学環が水戸キャンパスに開設されました。また、現在注目されているデータサイエンスやジェネレーティブAIに対応できる卒業生を増やすべく、その関連学科及び専攻の学生数を増やしつつあります。これらの状況については、本年会報67号の「学長挨拶」、「工学部長挨拶」、「母校の今」及び「学科・専攻報告」に詳しく説明されておりますので、ご参照下さい。
多賀工業会本部も、流れに取り残されないよう、新しい取り組みを心掛けております。多賀工業会活動を推進していくにあたり大きな課題は、参加する若手会員の大幅な減少です。組織を活性化し改革するためには、若者の参加が必須です。この課題を解決すべく、① 在学生の多賀工業会認知度をアップする、② SNSを使って多賀工業会をアピールする、③ 支部活動に参加する若手会員を支援する、等の取り組みを行っております。以下に、これらに関してご報告させて頂きたいと存じます。
まず1点目ですが、学生の多賀工業会認知度をアップする目的で、昨年度から週1回のペースで学生とのミーティングを開催し、こうがく祭関連やSNS関連等の様々な議論をしております。日立キャンパスには、多賀工業会館を知らないという学生も少なからずおりますが、ミーティングに参加している学生は積極的に意見具申し、行動しております。昨年11月に開催されたこうがく祭の際には、準備から後片付けに至るまで、多大な協力をしてくれました。SNSへの関与につきましては次段落で説明します。このような活動での学生の言動は、社会に出た後の十分な活躍を期待させます。
次に多賀工業会が発信しているSNSについてご説明致します。上記ミーティングにおいて、学生達が多賀工業会の公式X(旧ツイッター)を立ち上げてくれ、ほぼ毎週、ツイートしております。本会報の「在学生だより」に、Xに関する記事を掲載しておりますのでご参照下さい。なお、多賀工業会は2021年に既にインスタグラムを立ち上げ、事務局が平成の感覚で日立キャンパスの日常を投稿中です。本会報の「母校の今」欄にもその様子の一部を寄稿しております。Xとインスタグラムをご覧頂くと、キャンパスや学生の様子の一端がわかるのではないかと思います。
最後に、支部活動に参加する若手会員を増やすための対策についてです。各支部の支部長をはじめとする執行部の皆様は、若手会員に参加してもらうべくご尽力されておられますが、なかなか結果に結びつかないのが現状だと思います。そこで、多賀工業会本部としまして、今年度から、若手会員が支部総会に参加する際の参加費を支援することにしました。この支援策が一つの呼び水となって、支部活動に参加する若手会員が増加することを願っております。
最後になりましたが、同窓会会費の支払いにご理解頂きました新入生とその保護者の方々に深謝申し上げますと共に、会員の皆様のご活躍とご多幸を祈念致します。